赤ちゃんの頭の形(絶壁・斜頭症・短頭症)
赤ちゃんの頭の形(絶壁・斜頭症・短頭症)
「後頭部が平ら」「いつも同じ方向を向いている」「左右で頭の形が違う」
赤ちゃんの頭はやわらかく、同じ場所に圧力がかかり続けることで、頭の形が変化することがあります。
多くは位置的頭蓋変形と呼ばれるものですが、まれに頭蓋縫合早期癒合症などの病気が隠れていることもあります。
乳児期は頭蓋骨がやわらかいため、寝る向きや向きぐせなどの影響を受けて頭の形が変化することがあります。これを位置的頭蓋変形といいます。
後頭部の左右どちらかが平らになった状態です。
上から見ると頭が平行四辺形のように見え、程度が強くなると、耳やおでこ、顔の左右差がみられることがあります。

後頭部全体が平らになり、頭の横幅が広く、前後に短く見える状態です。
一般に「絶壁」と呼ばれる頭の形も、位置的な後頭部の扁平化を指して使われることが多い言葉です。

頭の形だけでなく、向きぐせや首の動かしにくさがないかを見ることも大切です。
位置的頭蓋変形は、ひとつの原因だけではなく、いくつかの要因が重なって起こります。
主な要因には、
などがあります。
まれに、頭蓋骨のつなぎ目である**頭蓋縫合が通常より早く癒合する「頭蓋縫合早期癒合症」**によって頭の形が変形することがあります。
位置的頭蓋変形とは原因も治療も異なるため、まず両者を見分けることが大切です。
タミータイムとは、赤ちゃんが起きているときに、大人がそばで見守りながら腹ばいで過ごす時間です。
後頭部にかかる圧力を減らすだけでなく、首・肩・背中の筋肉を使う練習になり、寝返りやはいはいなどの運動発達にもつながります。
最初は30秒~1分を1日数回からで十分です。慣れてきたら3~5分程度を何回か行い、無理のない範囲で1日合計30分以上を目標に少しずつ増やしていきましょう。連続して行う必要はありません。
床やプレイマットなど硬く平らな場所で行い、大人が同じ目線になって声をかけたり、おもちゃを見せたりすると取り組みやすくなります。
嫌がる場合は、保護者の胸やおなか、太ももの上で短時間から始める方法もあります。最初は10~30秒でも構いません。
必ず「起きているとき・大人が見守っているとき」だけ行います。
頭の形が気になっても、睡眠中にうつぶせ寝や横向き寝にしてはいけません。眠ったら、硬く平らな寝床に移して仰向けに戻してください。
起きている時間には、
などを意識します。首を無理に回したり、頭を押さえつけたりする必要はありません。
なお、頭の形を整える目的の枕やクッションには十分な効果を示す根拠が確立しておらず、安全面からも乳児の寝床には置かないようにしましょう。
次のような場合には一度ご相談ください。
位置的頭蓋変形は感染症ではないため、通常どおり登園できます。
ヘルメット治療を行う場合も、基本的には普段の生活を続けながら治療します。
月齢や変形の程度に応じて治療を考えます。
軽度の場合には、
などを行います。
中等度~重度の変形がある場合や、家庭でのケアを行っても変形が残る場合には、頭蓋形状矯正ヘルメット治療を検討することがあります。
ヘルメットは頭を強く押して形を変えるものではなく、赤ちゃん自身の頭の成長を利用して頭の形を整える治療です。
すべての赤ちゃんに必要な治療ではなく、月齢、変形の程度、経過などをみて判断します。
当院のあたまのかたち外来では、小児科専門医が、
を行います。
まずヘルメット治療を行うのではなく、月齢や変形の程度に合わせて必要な対応を考えます。
頭蓋縫合早期癒合症などが疑われる場合には、専門医療機関へご紹介します。
*順次公開予定。 青字の項目は公開中。
寝返りやおすわりが増えて後頭部への圧力が減ると、成長とともに目立ちにくくなることがあります。
一方、中等度以上では完全には整わない場合もあり、月齢や重症度によって経過は異なります。
向きぐせは位置的斜頭症の重要な要因のひとつです。同じ場所に圧力がかかり続けることで、後頭部が平らになりやすくなります。
頭の形を整える目的の枕について、十分な効果を示す根拠は確立していません。
また、睡眠中の枕やクッションは窒息などの危険があるため、乳児の寝床には置かないようにしましょう。
いいえ。軽度では家庭でのケアや経過観察で改善することがあります。
変形の程度、月齢、経過などをみて、必要な場合にヘルメット治療を検討します。
赤ちゃんの頭の成長を利用するため、開始時期は重要です。
一般的には乳児期早期に評価し、生後4~6か月頃が治療開始を検討する重要な時期となります。頭の形や重症度によって個別に判断します。
位置的頭蓋変形と発達の遅れとの関連を示す研究はありますが、頭の変形そのものが発達の遅れを引き起こすとは証明されていません。
発達について気になることがあれば、頭の形だけでなく、お子さん全体を評価することが大切です。
頭の形が気になる赤ちゃんの多くは位置的頭蓋変形ですが、まれに頭蓋縫合早期癒合症があります。
当院では頭の形だけでなく、頭囲、大泉門、頭蓋縫合、顔貌、発達などを確認し、疑われる場合には専門医療機関へご紹介します。