卵アレルギー
卵アレルギーは、こどもの食物アレルギーでよくみられるもののひとつです。
卵を食べたあとに、口のまわりが赤くなったり、じんましんが出たりすると、「もう卵は食べさせない方がいい?」「いつから再開していい?」と心配になることも多いと思います。
卵アレルギーでは、症状や検査結果だけでなく、どのくらいの量を食べて、どのような症状が出たのかを確認しながら、必要以上に除去しないことが大切です。
卵アレルギーは、卵に含まれるたんぱく質に免疫が過剰に反応して、さまざまな症状を起こす食物アレルギーです。
多くは卵を食べてから比較的短時間のうちに症状が現れる「即時型食物アレルギー」です。
原因となるたんぱく質は主に卵白に含まれており、一般的に卵黄よりも卵白の方がアレルギー症状を起こしやすいことが知られています。
卵アレルギーの多くは「即時型食物アレルギー」で、卵を食べてから早ければ、直後から通常2時間以内に症状が現れることが多いのが特徴です。
卵を食べたあと、次のような症状がみられることがあります。
症状は皮膚だけに現れることもあれば、皮膚・呼吸器・消化器など複数の症状が同時に現れることもあります。
特に、呼吸が苦しい、繰り返し嘔吐する、ぐったりするなどの症状がある場合には、アナフィラキシーの可能性があります。
卵アレルギーを診断するときには、**「卵を食べてから症状が出るまでの時間」**が重要な手がかりになります。
即時型の卵アレルギーでは、食べてから比較的短時間、通常2時間以内に症状が現れます。
一方、卵黄などを食べたあと、すぐには症状がなく、1~4時間程度たってから繰り返し嘔吐する場合には、一般的な即時型アレルギーとは異なる「食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)」の可能性があります。
症状が出たときには、
を記録しておくと、診断の手がかりになります。
皮膚症状がある場合には、可能であれば写真を撮っておくと受診時に役立ちます。
卵アレルギーの診断で最も大切なのは、実際に卵を食べたときにどのような症状が出たかという経過です。
必要に応じて血液検査や皮膚テストなどを行います。
血液検査で卵白などに対する特異的IgE抗体が陽性になっても、それだけで卵アレルギーと診断されるわけではありません。
検査で陽性でも問題なく食べられる場合があります。
そのため、検査結果だけを理由に自己判断で卵を除去することはおすすめしません。
必要に応じて、医療機関で実際に卵を食べて症状が出るかを確認する「食物経口負荷試験」を行うことがあります。
食物経口負荷試験は、卵アレルギーの診断だけでなく、どのくらいの量まで安全に食べられるかを確認するためにも重要な検査です。
食物アレルギーでは、原因となる食物をすべて避け続けるのではなく、**「正しい診断に基づいた必要最小限の除去」**が基本です。
卵アレルギーでも、
など、おこさまによって状況は異なります。
自己判断で完全除去を続けたり、反対に無理に食べ進めたりせず、これまでの症状や検査結果などをもとに食べられる範囲を判断していきます。
卵アレルギーを心配して、離乳食で卵を始める時期を必要以上に遅らせることは推奨されていません。
離乳食に慣れてきたら、十分に加熱した卵を少量から始め、様子をみながら少しずつ進めていきます。
初めて食べるときや量を増やすときは、おこさまの体調がよい日に行いましょう。
離乳食での具体的な卵の始め方については、みずたま通信でも詳しく解説しています。
卵を食べたあとに、じんましん、嘔吐、咳、ゼーゼーなどの症状が出たことがある場合は、自己判断で量を増やさず、一度ご相談ください。
症状が出た量や調理方法、症状が出るまでの時間などを確認し、必要に応じて検査を行ったうえで今後の進め方を検討します。
「卵アレルギー」といっても、食べられる量や加熱の程度は一人ひとり異なります。
医師から食べてもよい量を指示されている場合には、その範囲を守って継続しましょう。
少量を食べられたからといって、自己判断で急に量を増やすことは避けます。
また、体調不良時などには普段食べられている量でも症状が出ることがあります。食べ進め方について指示を受けている場合は、その方法に従いましょう。
卵黄を食べた直後には症状がなく、数時間後に突然、繰り返し嘔吐する場合には、一般的な即時型の卵アレルギーとは異なる「食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)」の可能性があります。
FPIESは、一般的なIgE依存性の食物アレルギーとは症状の現れ方や診断方法が異なります。
呼吸が苦しい、繰り返し嘔吐する、ぐったりする、意識がおかしいなどの強い症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、速やかに救急受診してください。
当院では、卵を食べたときの症状、摂取量、調理方法、症状が出るまでの時間などを詳しく確認し、必要に応じてアレルギー検査を行います。
検査結果だけで食物除去を判断するのではなく、実際にどのくらい食べられているかも大切にしながら、必要最小限の除去を基本として、おこさま一人ひとりに合わせた食べ方や進め方をご提案します。
卵アレルギーだけでなく、食物アレルギー、乳児湿疹・アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など、こどものアレルギーを総合的に診療しています。
*順次公開予定。 青字の項目は公開中。