ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)
ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、発熱・咳・鼻水などの風邪症状を起こすウイルスです。
多くは自然に改善しますが、乳幼児では気管支炎・細気管支炎・肺炎を起こし、ゼーゼーしたり呼吸が苦しくなったりすることがあります。
RSウイルス(RSV)と似た呼吸器感染症ですが、hMPVはRSVよりやや年齢が高いこどもでもよくみられ、多くのこどもが5歳までに感染します。何度も感染することがあります。
主な症状は、
などです。
はじめは普通の風邪のようでも、乳幼児では感染が下気道に広がり、細気管支炎や肺炎になることがあります。また、喘息のあるおこさまでは、感染をきっかけに喘息症状が悪化することがあります。
まれにクループ症候群の原因になることもあります。
潜伏期間は一般に3~5日程度です。日本小児科学会では、感染期間は通常1~2週間としています。
発熱が数日続いたり、熱が下がったあとも咳が残ったりすることがあります。国内の小児を対象とした研究でも、解熱後に咳が続く例が多く報告されています。
そのため、「熱は下がったけれど咳だけが残っている」こと自体は珍しくありません。
ただし、咳が強くなっている、ゼーゼーしている、呼吸が苦しそうなどの場合は再度診察が必要です。
hMPVとRSウイルスは、どちらも乳幼児に細気管支炎や肺炎を起こすことがあり、症状だけでは区別が難しい感染症です。
RSウイルスは特に低月齢の赤ちゃんで注意が必要ですが、hMPVも乳幼児や基礎疾患のあるおこさまでは重症化することがあります。
また、hMPVは日本小児科学会では晩冬~早春に流行する呼吸器感染症とされています。
大切なのはウイルスの名前だけではなく、呼吸状態・哺乳や食事・水分摂取・元気など、おこさまの全身状態を確認することです。
次のような場合は、小児科を受診しましょう。
特に、
呼吸が苦しそう/胸やみぞおちがペコペコへこむ/顔色や唇の色が悪い/ほとんど水分がとれない/ぐったりして反応が悪い
といった場合には、早めの受診が必要です。
hMPVは、RSウイルスなど他の呼吸器感染症と症状がよく似ています。また、hMPVに対する特別な治療薬はないため、ウイルスの種類がわかっても治療方針が大きく変わらないことがあります。
そのため、検査を行うかどうかは、年齢や症状、呼吸状態などをみながら判断します。
日本ではhMPVの迅速抗原検査がありますが、健康保険が適用される条件には制限があります。
大切なのは「hMPVが陽性かどうか」だけではなく、呼吸が苦しくないか、水分や哺乳がとれているか、元気があるかなど、おこさまの全身状態を確認することです。
現在、hMPVに対する一般診療で使用する特異的な抗ウイルス薬はありません。
そのため、
など、おこさまの症状に応じた治療を行います。
呼吸状態が悪い場合には、酸素投与などのため入院が必要になることもあります。
鼻水が多い赤ちゃんでは、鼻水を取り除くことで哺乳や睡眠が楽になることがあります。
鼻水吸引については「みずたま通信|おこさまの鼻水、どう対応したらいい?」もご覧ください。
hMPV感染症に、一律の「発症後○日」という登園停止期間はありません。
日本小児科学会では、咳などが安定し、全身状態がよければ登園・登校可能としています。登園後も手洗いなどの感染対策を続けましょう。
当院では、hMPV感染症が疑われるおこさまについて、
を行っています。
hMPVでは、「検査が陽性かどうか」だけでなく、「呼吸状態や水分・哺乳が保たれているか」を確認することが大切です。
咳や発熱が続く、ゼーゼーしてきた、いつもの風邪よりつらそう、といった場合も小児科へご相談ください。
*順次公開予定。青字の項目は公開中。