
こんにちは。みずたまこどもクリニック院長田中瑞恵です。
最近、「夜中に急に**犬が吠えるような『ケンケン』という咳(犬吠様咳嗽)**が出て苦しそう」というご相談が増えています。
現在はさまざまな呼吸器ウイルスによる「かぜ」が流行しており、その中にはクループ症候群の原因となるウイルスも含まれています。
クループ症候群とは?
クループ症候群は、のど(喉頭・声帯の周囲)がウイルス感染によって腫れ、空気の通り道が狭くなる病気です。
主に乳幼児、とくに生後6か月~3歳頃のお子さんに多くみられます。
原因となるウイルスには、
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パラインフルエンザウイルス
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ヒトメタニューモウイルス(hMPV)
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RSウイルス
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ライノウイルス
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アデノウイルス
などがあり、風邪症状に続いて発症することがあります。

こんな症状が特徴です
✓ 犬が吠えるような「ケンケン」という咳
✓ 声がかすれる(声がれ)
✓ 息を吸うときに「ヒュー」「ゼー」という音がする(吸気性喘鳴)
✓ 夜間や明け方に悪化しやすい
昼間は比較的元気でも、夜になると急に症状が強くなることが少なくありません。

お家でできること
軽症の場合は、
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水分を少しずつこまめに飲む
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泣いたり興奮したりしないよう、できるだけ落ち着いて過ごす
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楽な姿勢で安静にする
ことが大切です。
室内を適度な湿度に保つことは環境を整えるうえでよいと考えられますが、加湿そのものがクループ症候群を改善する効果は明確ではありません。
「ケンケン」という特徴的な咳や声がれがある場合は、ご家庭だけで判断せず、早めの受診をおすすめします。
すぐに受診した方がよい症状
次のような症状がある場合は、夜間・休日でも医療機関を受診してください。
🔸 安静にしていても息が苦しそう
🔸 胸や首が大きくへこむ(陥没呼吸)
🔸 息を吸うたびに「ヒュー」という音が続く
🔸 唇や顔色が悪い
🔸 水分が飲めない
🔸 ぐったりしている
これらは気道の狭窄が強くなっているサインであり、早めの治療が必要です。
治療について
クループ症候群そのものを治す抗ウイルス薬はありません。
症状に応じて、
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デキサメタゾンなどのステロイド薬(内服・注射など)
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アドレナリン吸入(中等症~重症の場合)
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酸素投与などの呼吸管理(重症の場合)
を行い、のどの腫れを改善します。
なお、細菌感染がない限り、抗菌薬(抗生物質)は通常必要ありません。
多くのお子さんは、適切な治療により数日以内に改善します。
最近の流行について
現在も呼吸器感染症の流行が続いています。
急性呼吸器感染症(ARI)定点サーベイランスでは、2026年第27週(2026年7月上旬)の全国の定点当たり患者報告数はおよそ45人前後で、依然として高い水準で推移しています。
病原体サーベイランスでは、ライノウイルス、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、ヒトパラインフルエンザウイルスなど、クループ症候群の原因となるウイルスも引き続き検出されています。
そのため、この時期は通常の風邪だけでなく、「ケンケン」という特徴的な咳や声がれ、息を吸うときのヒューヒューという音がみられた場合には、クループ症候群の可能性も考えて早めの受診をおすすめします。
みずたまこどもクリニックから
「いつもの風邪の咳と違う」
「夜中にケンケンとした咳で眠れない」
「息を吸うとヒューという音がする」
そんな時は、クループ症候群の可能性があります。
特にクループ症候群は夜間に悪化しやすい病気です。
呼吸が苦しそう、水分が飲めない、顔色が悪いなどの症状がある場合は、夜間・休日でも医療機関を受診してください。
気になる症状がありましたら、お気軽にみずたまこどもクリニックへご相談ください。
参考文献
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日本小児科学会.小児の急性呼吸器感染症診療ガイドライン
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日本小児呼吸器学会.クループ症候群診療の手引き
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Cherry JD. Clinical practice. Croup. N Engl J Med. 2008;358:384-391.
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Bjornson CL, Johnson DW. Croup in children. Lancet. 2008;371:329-339.
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国立感染症研究所.感染症発生動向調査(IDWR)
医療監修
みずたまこどもクリニック 院長
田中瑞恵(小児科専門医)







